飛行機が欠航・遅延したときは、まず航空会社の運航状況を確認し、変更または払い戻しの手続きを、できるだけ早くウェブで行うのが基本です。ANAもJALも、運航に影響が見込まれる便は、欠航や遅延が決まる前でも手数料なしで変更・払い戻しができる案内を出しています。一方、交通費や宿泊費を航空会社が負担するかどうかは、遅延・欠航の原因で変わります。
この記事では、ANAとJALの公式案内をもとに、欠航・遅延時の手続きの流れ、変更と払い戻しの違い、宿泊費などの精算、国際線での注意点を整理します。条件は路線・運賃・時期で変わるため、最終的にはご自身の予約画面と航空会社の案内で確認してください。
欠航・遅延が分かったら、最初に何をする?
最初にやることは3つです。運航状況の確認、予約内容の確認、そして変更か払い戻しかの判断です。
運航状況は、航空会社のウェブサイトやアプリで確認できます。ANAの国際線の案内では、運航状況は出発予定日の2日前から3日後まで確認でき、メールアドレスを登録しておくと遅延・欠航の通知をメールで受け取れます。アプリのプッシュ通知やSMSで知らせを受け取る方法もあります。
予約内容では、購入先と運賃の種類を確かめます。航空会社の公式サイトで買った航空券か、旅行会社で買った航空券か、パッケージツアーの一部かによって、手続きの窓口が違うからです。JALは、旅行会社で購入した航空券は購入元に問い合わせるよう案内しており、ツアーの航空券は手数料免除の取り扱いの対象外としています。
その上で、予定どおり旅行を続けるなら「変更」、旅行自体をやめるなら「払い戻し」を選びます。ここで注意したいのは、費用の精算を受けたい場合は、先に払い戻しをしないことです。ANAは、費用精算の手続きより前に航空券の払い戻しをしないよう案内しています。
手数料なしで変更・払い戻しできる条件は?
ANAとJALの国内線の案内を、表で比べます。
| 項目 | ANA(国内線) | JAL(国内線) |
|---|---|---|
| 手数料なしの目印 | 運航状況の便名欄の「NCFマーク」 | 発着情報検索で便名の横に表示される「!」 |
| 決定前の手続き | 対象便は決定前でも手数料なしで変更・払い戻し可 | 決定前でも手数料なしで変更・払い戻し可 |
| 同じ会社の便への変更 | 1回限り。予約便の前後7日以内の便が対象で、予約便の出発時刻までに手続き | 有効期間または出発予定日から30日以内の、長いほうの期間内の便。変更不可の運賃も1回に限り変更可 |
| 他社便・地上交通への変更 | 機材故障など、ANAに起因する場合のみ | 機材故障など、JALの都合の場合のみ |
| 手続きの方法 | ANAウェブサイト | JALウェブサイトの「変更・払い戻し手続き」 |
※ANAの案内では、NCFマークが表示されていない状態でウェブ手続きをすると、手数料が発生する場合があります。マークの反映には時間がかかることもあるため、表示を確認してから手続きしましょう。
※スマートフォンやANAアプリでは、マークの表記が異なる場合があります。
航空券の予約・申込:エアトリ
、agoda(航空券)
(最新の条件は各公式サイトでご確認ください)
期限はいつまで?間に合わなかったときは
変更の期限は、天候などが理由の場合、ANAでは遅延・欠航が決定した後、予約便の出発20分前までにウェブで手続きを完了する必要があります。出発20分前を過ぎると、ウェブでは変更手続きができません。JALも、ウェブでの手続きは出発時刻前までとしています。
払い戻しの期限はやや複雑です。ANAの悪天候などの案内では、旅行開始日(未開始の場合は発券日)から1年と30日以内とされています。別のページには、ウェブでの手続きは旅程の最終搭乗日から4日後までと書かれている箇所もあります。ページによって書き方が違うため、実際の手続き画面に表示される期限を必ず確認してください。
JALは、ウェブで手続きできない場合や、出発前に間に合わなかった場合でも、搭乗日から30日以内であれば対応できるとしています。払い戻しは専用フォームから申請し、処理に1週間程度かかる場合があります。変更はコールセンターへの連絡が必要です。
往復や乗り継ぎなど2区間以上の予約で、一部の区間だけを払い戻したい場合は、ANAでは残りのすべての区間に搭乗した後でないと受け付けられません。旅程を組み替えるときは、この点を見落としがちです。
宿泊費や交通費は、航空会社が負担してくれる?
結論から言うと、原因によって変わります。機材故障など航空会社に起因する場合は一定の範囲で負担されますが、悪天候・自然災害・空港の混雑などは、自己負担になります。
ANAの案内では、機材故障などによる30分以上の遅延・欠航で、到着空港から目的地までの公共交通機関がない場合や、欠航により翌日に振り替えて宿泊が必要になった場合などに、定められた範囲で宿泊費や交通費が支払われます。主な上限は次のとおりです。
| ケース | ANAの案内(国内線・機材故障など) |
|---|---|
| 翌日への振替で宿泊が必要 | 宿泊費と地上交通費の合計で上限15,000円 |
| 振替後も目的地への公共交通機関がない | 交通費は上限15,000円 |
| 到着後に公共交通機関が終了している | 宿泊または目的地までの交通で、合計上限15,000円 |
| 乗り継ぎ便に間に合わず宿泊が必要 | 宿泊費は上限15,000円 |
※領収書が必要です。請求は、予約便の出発予定日から30日以内とされています。
※この取り扱いは、機材故障などによる遅延・欠航が出発予定日の前日または当日に起きた場合に限られます。
JALも、悪天候や自然災害による場合は利用者の負担、機材故障など会社都合の場合は、JALが定める範囲で支払うと案内しています。特典航空券、パッケージツアー、団体旅行などは取り扱いが異なるため、旅行会社や航空会社に確認してください。
悪天候での欠航は、宿泊費が自己負担になる可能性が高いです。そのため、台風や大雪が予想される時期の旅行では、予備日を設ける、キャンセルできる宿を選ぶといった備えが役立ちます。
国際線で欠航・遅延になったときの注意点
国際線は、乗り継ぎや現地の宿泊、帰国日の仕事など、影響が大きくなりやすいのが特徴です。ANAの国際線の案内では、天候(台風・雪など)や機材故障などANAに関わる事情で遅延・欠航になった場合、ANA便への変更または払い戻しが受け付けられるとされています。ただし、航空券の種類や変更方法によって、選べる内容が制限されることがあります。
便が欠航・遅延・緊急着陸になったときは、ANAのウェブサイトで、欠航・遅延・緊急着陸の証明書を自分で発行できます。旅行保険の請求や旅行会社への連絡で、証明を求められることがあるため、手続きの前に発行できるか確認しておくと安心です。
空港で乗り継ぎに失敗した場合は、カウンターで相談します。名前の綴りや予約情報の食い違いがあると手続きが進まないことがあるので、航空券の名前の入力ルールも確認しておきましょう。
変更の手数料や取消の考え方を知りたい場合は、国際線の航空券を変更するときの手数料が参考になります。
荷物・保険・ツアーはどう考える?
遅延・欠航のときは、預けた荷物の扱いも気になります。振替便に荷物が積み替えられないなどのトラブルが起きたときは、預けた荷物が出てこないときは?で手続きの流れを整理しています。
海外旅行保険やクレジットカード付帯の保険には、航空機の遅延や欠航に関わる補償が付いている場合があります。ただし、補償の対象となる条件や金額は、商品ごとに違います。契約中の保険の約款や、カード会社の案内で確認してください。保険とカードの違いは海外旅行保険は必要?カード付帯で足りるのかで解説しています。
パッケージツアーの場合は、航空会社ではなく旅行会社が窓口になります。取消料や旅程の保証についてはパッケージツアーの取消料はいつから?をご覧ください。
空港でも慌てないための事前準備
欠航・遅延への備えとして、出発前にできることをまとめます。航空会社のアプリを入れ、遅延・欠航の通知を受け取れるよう設定しておくこと。予約番号や航空券番号をすぐ出せるようにしておくこと。購入先(公式サイト・旅行会社・ツアー)を把握しておくこと。この3つだけでも、当日の動きがかなり楽になります。
預け荷物に着替えや薬など必要なものを入れてしまうと、足止めされたときに困ります。必要最低限は機内持ち込みの手荷物にまとめておきましょう。初めての海外旅行で空港の流れが不安な人は、初めての海外旅行、空港での流れもあわせてご覧ください。
予約時にも工夫できます。乗り継ぎには十分な時間を取る、重要な予定の前日に到着する日程を組む、などです。航空券予約の全体像は海外航空券を予約する前のチェックリストが参考になります。
よくある質問
遅延が少しだけでも、払い戻しはできる?
JALは、30分以上の出発遅延を特別な取り扱いの対象の一つとしています。それ未満の遅延は対象外となる場合があるため、予約画面や発着情報の表示で確認してください。
他の航空会社や新幹線に振り替えてもらえる?
ANAもJALも、他社便や新幹線などへの変更は、機材故障など会社都合の場合に限っています。天候による場合は、原則として自社便への変更または払い戻しになります。
手数料免除の対象かどうか、どこで分かる?
ANAは運航状況の便名欄のNCFマーク、JALは発着情報検索の便名横の「!」が目印です。表示が出ていない場合は、航空会社の案内ページで最新の取り扱いを確認しましょう。
まとめ
欠航・遅延のときは、運航状況の確認、購入先の確認、変更か払い戻しかの判断の順に動きます。ANAもJALも、運航に影響が見込まれる便は、決定前から手数料なしで手続きできる場合があり、目印を確認すればスムーズです。
宿泊費や交通費は、機材故障など航空会社に起因する場合に限り、上限つきで精算される仕組みです。悪天候は自己負担になるため、日程に余裕を持たせておくことが大切です。費用精算を受けたい場合は、先に払い戻しをしないことも覚えておきましょう。
※本記事は2026年10月22日時点の公式案内の要約です。運賃や路線、時期によって取り扱いは異なります。最新情報は各航空会社の公式サイトでご確認ください。
出典(公式情報)
最終確認日:2026年10月22日
・ANA「(国内線)遅延・欠航時の各種お手続きに関するご案内」https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/refund/domestic/irregular_support/
・ANA「悪天候などが理由の変更・払い戻し」https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/refund/domestic/weather/
・ANA「機材故障などが理由の振り替えに伴う諸費用のご案内」https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/refund/expenses/
・ANA「欠航・遅延時のインターネットサポート[国際線]」https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/boarding-procedures/support/international/
・JAL「欠航・遅延時の変更・払い戻しについて(国内線)」https://www.jal.co.jp/ja-jp/my-booking-dom/service-info.html
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