子どもや孫の口座にお金を贈る場合、1年間にもらった額が110万円以下なら、贈与税はかからず、申告も不要です(暦年課税)。この記事では、国税庁のタックスアンサーなどをもとに、贈与税の基本、基礎控除、申告期限、相続時精算課税との違いを整理します。税の扱いは個別の事情で変わるため、具体的な判断は税務署や税理士にご相談ください。(法令等の基準日は国税庁の記載で令和8年4月1日現在、最終確認日:2026年10月23日)

贈与税は、どんなときにかかる?
国税庁によると、贈与税は、個人から贈与により財産をもらったときにかかる税金です。法人からもらった場合は、贈与税ではなく所得税の対象になります。
- 個人から財産をもらったとき:贈与税の対象
- 法人から財産をもらったとき:所得税の対象
- 保険料を負担していない人が受け取った生命保険金や、借金の免除を受けた利益:贈与とみなされ、贈与税の対象
「子どもに少しずつ渡す」場合でも、受け取った側から見て、1年間の合計がいくらになるかが基本の考え方です。相続や贈与の税金全般は、贈与税の基本の記事もご覧ください。
暦年課税の基礎控除は、いくら?
国税庁のタックスアンサーでは、暦年課税の基礎控除は110万円です。対象は、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額です。
| 1年間にもらった額 | 贈与税 | 申告 |
|---|---|---|
| 110万円以下 | かからない | 不要 |
| 110万円を超える | かかる(超えた部分が対象) | 必要 |
国税庁は、申告が必要になるのは、暦年課税の合計額が110万円を超える場合などと説明しています。「1年間にもらった額の合計」で判断するため、複数の人から贈与を受けた場合は、合計して考えます。
申告はいつまでに、どこへ?
贈与税の申告が必要な場合は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、所轄の税務署へ申告します。
- 贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日に、申告書を提出する
- 納める税額がある場合は、期限内に納付する
- 納付が困難なときは、延納が認められる場合がある(税額が10万円を超えるなど。申請が必要)
延納を希望する場合は、申告書の提出期限までに申請し、許可を受ける必要があります。申告の方法は、確定申告の記事で扱っている電子申告の考え方も参考になります。
相続時精算課税とは?
国税庁の説明では、暦年課税とは別に「相続時精算課税」を選べる場合があります。令和6年1月1日以後の贈与については、贈与者ごとに年110万円の基礎控除が使えます。
| 項目 | 暦年課税 | 相続時精算課税 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 年110万円 | 贈与者ごとに年110万円(令和6年1月1日以後の贈与) |
| 特別控除 | なし | 累計2,500万円(残額が限度、期限内申告の場合) |
| 選ぶとき | 特別な手続きは不要 | 初めて選ぶ年に「相続時精算課税選択届出書」の提出が必要 |
国税庁は、同じ年に両方の制度を使った場合は、一方が基礎控除以下でも、もう一方が基礎控除を超えるときは申告書に記載が必要になると説明しています。どちらを選ぶかは、家族の状況で変わるため、事前に税務署や税理士に相談しましょう。
子ども名義の証券口座に入れるお金は、どう考える?
子ども名義の口座で積み立てるときも、お金の出どころと、誰が管理するかが大切です。一般的な注意点を整理します。
- 贈与するときは、贈る側と受け取る側の意思を確認し、記録を残す
- 1年間にもらった額が110万円を超えないよう、毎年の金額を管理する
- 口座のお金を、実際に誰が使うのかを家族で話し合う
- 投資信託や株は、値下がりすることがある(元本は保証されない)
贈与の扱いは、個別の事情で判断が分かれることがあります。具体的な取り扱いは、税務署か税理士に確認してください。口座の選び方は、NISA口座の選び方の記事、株の売買ルールは株の注文方法と売買ルールの記事で解説しています。
子ども向けの積立に、ほかにどんな方法がある?
子どものための資金づくりには、証券口座以外にも方法があります。目的と期間に合わせて選びましょう。
- 教育資金:使う時期が近いなら、値動きの小さい預貯金など
- 長期の積立:時間をかけて育てるなら、投資信託の積立も選択肢
- 国債:元本の考え方が分かりやすい。個人向け国債の記事で仕組みを整理
どの方法でも、まずは生活費の備えが先です。生活防衛資金の記事も参考にしてください。
始める前の、確認リスト
最後に、子ども名義の口座に積み立てる前に確認したいことをまとめます。
- 1年間に贈る金額は、110万円以下になっているか
- 複数の人から贈与を受けていないか(合計で判断)
- 相続時精算課税を使うか、使わないか
- 運用する商品の手数料とリスクを理解しているか
- 口座を管理する人と、将来の引き継ぎ方
制度は改正されることがあるため、最新の内容は国税庁のサイトで確認してください。
毎年の記録の残し方
贈与した金額と日付は、毎年メモに残しておくと、あとで合計額を確認するときに役立ちます。通帳や取引の履歴、証券会社の取引報告書など、書面やデータが残る方法を選びましょう。家族のあいだでも、いつ、いくら、何のために贈ったのかを話し合い、記録に残しておくと、誤解を防げます。
なお、教育資金や生活費の扱いなど、ここで触れていない特例もあります。該当しそうな場合は、国税庁のサイトか税務署で確認してください。
よくある質問
贈与税の基礎控除はいくらですか?
国税庁によると、暦年課税の基礎控除は110万円です。1年間にもらった額が110万円以下なら、贈与税はかからず、申告も不要です。
贈与税の申告期限はいつですか?
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。申告先は所轄の税務署です。
相続時精算課税の基礎控除はいくらですか?
令和6年1月1日以後の贈与については、贈与者ごとに年110万円です。ほかに、累計2,500万円の特別控除があります。
法人からもらったお金に贈与税はかかりますか?
国税庁は、法人から贈与により財産をもらったときは、贈与税ではなく所得税がかかると説明しています。
出典(公式情報):国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合、国税庁 少額贈与の申告書への記載の要否(最終確認日:2026年10月23日)
まとめ:年110万円以内かを毎年確認する
子どもや孫の口座にお金を贈るときは、1年間にもらった額が110万円以下かを毎年確認しましょう。110万円を超えると、翌年2月1日〜3月15日に贈与税の申告が必要です。相続時精算課税との違いや、個別の事情は、税務署や税理士に相談してください。
最終確認日:2026年10月23日。制度・金額・ルールは変更されることがあります。最新の情報は、必ず上記の公式サイトでご確認ください。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買・契約を推奨するものではありません。最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。
あわせて読みたい関連記事
- 贈与税の基礎知識|110万円の基礎控除と相続時精算課税の違いを国税庁情報で解説
- 【2026年版】新NISAとは?制度の基本と始め方を、初心者向けにやさしく解説
- NISA口座の選び方|証券会社を比べる5つのポイントと、よくある失敗
- 生活防衛資金とは?いくら必要?投資を始める前に準備したいお金
テーマ別の一覧は、金融ガイド総まとめもご覧ください。
※本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。