インボイス制度は副業に影響?|3割特例と経過措置

金融

インボイス制度は、売上の相手が課税事業者のときだけ、登録するかどうかが問題になります。この記事では、国税庁のNo.6498と「令和8年度税制改正特集」をもとに、登録の流れ、2割特例の終了、個人事業者向けの3割特例、仕入側の経過措置の見直しを整理します。税額の判断は個別の事情で変わるため、公式サイトで確認できた範囲だけを載せています。(最終確認日:2026年10月23日)

電卓
電卓(写真:Coyau/Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0)

インボイス制度とは?副業でも関係ある?

国税庁の説明によると、インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、令和5年10月1日から始まった仕入税額控除の方式です。買い手が仕入税額控除を受けるには、一定の事項が書かれた帳簿と、適格請求書などの保存が必要になります。

適格請求書を出せるのは、登録を受けた「適格請求書発行事業者」だけです。取引先から求められたときに、適格請求書を交付し、写しを保存する義務があります。ただし、この義務の相手は課税事業者に限られます。

つまり、会社員の副業で売上の相手が個人(消費者)なら、登録を考える場面は少なくなります。売上の相手が会社や事業者のときは、取引先から登録を求められることがあります。副業の税金の基本は副業の確定申告の記事、申告全体の流れは確定申告の基本の記事で整理しています。

登録するとどうなる?免税事業者との違いは?

国税庁の案内によると、登録できるのは課税事業者だけです。免税事業者が登録するには、課税事業者になることが前提です。登録申請書は税務署に出し、e-Taxでも申請できます。登録されると登録番号が通知され、国税庁の公表サイトで公表されます。

項目 国税庁の案内
登録番号(法人番号がある課税事業者) 「T」+法人番号
登録番号(上記以外) 「T」+13桁の数字
登録できる人 課税事業者のみ
免税事業者が登録する場合 令和5年10月1日〜令和11年9月30日の日を含む課税期間中に登録すると、登録日から発行事業者になれる経過措置

一方、免税事業者から仕入れる買い手は、原則として仕入税額控除を受けられません。そのため、取引先から「登録してほしい」と頼まれることがあります。登録すると消費税の納税義務が生じるため、手取りがどう変わるかを先に確認しましょう。

2割特例と3割特例は何が違う?

国税庁のページによると、2割特例は、免税事業者が登録して課税事業者になった場合に、納付税額を売上税額の2割にできる制度です。適用できるのは、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日を含む課税期間です。この記事の確認日(2026年10月23日)の時点では、新しく2割特例を使い始める期間は終わっています。

その後の措置として、令和8年度税制改正で「3割特例」が示されています。対象は、免税事業者から登録で課税事業者になった個人事業者のみで、法人は対象外です。令和9年分と令和10年分の申告で、納付税額を売上税額の3割にできます。

項目 2割特例 3割特例
納付税額 売上税額の2割 売上税額の3割
適用期間 令和8年9月30日を含む課税期間まで 令和9年分・令和10年分の申告
対象 免税事業者から登録した事業者 個人事業者のみ(法人は対象外)
主な要件 登録して課税事業者になった 基準期間の課税売上高が1,000万円以下、インボイス発行事業者

3割特例は、国税庁の特集に載っている内容です。実際に使えるかどうかは、自分の課税売上高や登録時期によって変わります。申告の前に、国税庁の最新の案内を必ず確認してください。

また、2割特例や3割特例を使った翌課税期間から簡易課税を選ぶ場合は、届出書をその課税期間の申告期限までに出せばよいという円滑な移行措置も示されています。

仕入側の経過措置はどう変わった?

インボイス発行事業者以外からの仕入れに対する経過措置も、令和8年度の改正で見直されています。国税庁の特集では、控除できる割合が次のように示されています。

期間 控除できる割合
令和8年10月〜(2年間) 70%
令和10年10月〜(2年間) 50%
令和12年10月〜(1年間) 30%
令和13年10月以降 0%

さらに、控除の対象になるのは、1年間(事業年度)の仕入れの合計(税込み)が1億円までの部分です。改正前は10億円でした。令和8年10月1日以後に始まる課税期間から適用されます。

会社員の副業では仕入れが少ないことが多いため、この経過措置が直接影響する場面は限られます。事業として外注や仕入れが多い方は、取引先の登録状況を確認しておくと安心です。

登録するか迷ったときの考え方は?

迷ったときは、次の順で整理すると判断しやすくなります。

  1. 売上の相手は誰かを確認する(消費者か、課税事業者か)
  2. 取引先から登録を求められているか確認する
  3. 登録した場合の消費税の納付額を、3割特例などを使った場合も含めて試算する
  4. 登録しない場合に、取引が減る可能性や値引きを求められる可能性を考える
  5. 国税庁の最新の案内と、税務署や税理士の意見を確認する

※制度は改正されることがあります。ここで紹介した内容は、国税庁の公表情報をもとにした一般的な整理です。個別の判断は、税務署や税理士にご相談ください。年収や扶養の考え方は年収の壁と配偶者控除の記事も参考になります。

インボイス制度でよくある誤解は?

よくある誤解の1つは、「登録しないと副業ができなくなる」というものです。実際には、登録は義務ではなく、取引先が課税事業者かどうかで影響が変わります。

もう1つは、「登録すれば税金が必ず増える」という考え方です。登録すると消費税の申告・納付が必要になりますが、特例を使える期間は納付税額が小さくなる場合があります。ただし、特例の適用には要件があるため、必ず公式の説明で確認しましょう。

よくある質問

インボイス制度はいつから始まりましたか?

国税庁によると、令和5年10月1日から始まっています。

2割特例は今から使えますか?

国税庁のページでは、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日を含む課税期間が対象です。確認日の時点では、新しく使い始める期間は終わっています。

3割特例は誰が使えますか?

国税庁の特集では、免税事業者から登録で課税事業者になった個人事業者のみが対象で、法人は対象外です。令和9年分と令和10年分の申告が対象です。

免税事業者から仕入れると控除は全くできませんか?

原則として控除できませんが、経過措置があります。国税庁の特集では、令和8年10月から70%など、期間ごとの割合が示されています。

出典(公式情報):国税庁 No.6498 適格請求書等保存方式(インボイス制度)、国税庁 令和8年度税制改正特集(インボイス)(最終確認日:2026年10月23日)

まとめ:売上の相手と特例の期間を確認してから決める

インボイス制度は、売上の相手が課税事業者のときに影響が出ます。2割特例の新規適用期間は令和8年9月30日を含む課税期間までで、その後は個人事業者向けの3割特例(令和9年分・令和10年分)が示されています。仕入側の経過措置も、令和8年10月から70%などに見直されました。登録するかどうかは、取引先の状況と納付税額の試算を比べて決め、国税庁の最新の案内を確認しましょう。

最終確認日:2026年10月23日。制度・金額・ルールは変更されることがあります。最新の情報は、必ず上記の公式サイトでご確認ください。

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買・契約を推奨するものではありません。最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。

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