個人向け国債とは?変動10年・固定5年・固定3年の違い

金融

「預金より少し有利で、安全性が高い運用先はない?」と探すと、よく出てくるのが個人向け国債です。国が発行する債券で、1万円から買えて、元本と利子の支払いは国が責任を持つとされています。

この記事では、財務省の公式ページをもとに、個人向け国債の3つの種類と、買う前に知っておきたい注意点を整理します。※金利は市場の状況で変わるため、現在の金利は財務省や取扱金融機関のページで確認してください。

東京証券取引所の内部
東京証券取引所の内部(写真:Wpcpey/Wikimedia Commons/CC BY 4.0)

個人向け国債は、どんな商品?

個人向け国債は、個人が購入できる国債です。財務省の案内では、1万円から購入でき、毎月発行され、利子は年2回受け取れます。元本と利子の支払いは国が責任を持つとされています。

ただし、利子には20.315%の税金がかかります。また、「国が支払う」としても、中途換金のときには一定の差し引きがあるなど、知っておくべき注意点があります。

3つの種類の違い

個人向け国債には、満期や金利の決まり方が異なる3つの種類があります。

種類 満期 金利の決まり方
変動10年 10年 半年ごとに金利が見直される。基準金利×0.66
固定5年 5年 満期まで金利が変わらない。基準金利−0.05%
固定3年 3年 満期まで金利が変わらない。基準金利−0.03%

財務省の案内では、どの種類も最低金利が0.05%と定められています。つまり、市場の金利が極端に低くなっても、金利が0.05%を下回ることはありません。

変動10年は、金利が上がる局面で受け取る利子が増える可能性があり、固定は、金利が決まっているため、将来の受取額が分かりやすいという特徴があります。どちらが向くかは、お金を使う予定の時期や、金利に対する考え方で変わります。

中途換金は、いつからできる?

個人向け国債は、発行から1年経過すれば、中途換金(満期前に現金に換えること)ができます。国が額面で買い取る仕組みで、元本が減る心配はありません。

ただし、中途換金のときは、直前2回分の利子相当額×0.79685が差し引かれる、と案内されています。これは、その分の利子を受け取れなくなるイメージです。したがって、短期間で売買すると、受け取れる利子が少なくなります。

また、発行から1年以内は、原則として中途換金ができません。生活費や、すぐ使う予定のあるお金には向きません。生活の備えは、「生活防衛資金とは?」を参考に、預金などで確保しておくのが基本です。

どんな人に向いている?

個人向け国債は、次のような人の選択肢になります。

  • 元本が減るリスクを避けたい人
  • 1年以上使う予定のない資金を、預金より有利に置きたい人
  • 少額(1万円)から始めたい人
  • 株式や投資信託のような価格の変動を避けたい人

一方で、物価が上がると、お金の実質的な価値は下がります。また、金利は預金より高めでも、株式のような大きな値上がりは期待できません。目的に応じて、他の運用方法と組み合わせることを考えましょう。

預金や外貨預金との違い

預金は、預金保険制度の対象になる場合があります。個人向け国債は、国が元本と利子の支払いに責任を持つ、という違いがあります。外貨預金は、為替の変動で元本が増減する点で、大きく異なります。外貨預金は、「外貨預金とは?」で詳しく解説しています。ネット銀行と都市銀行の預金の違いは「ネット銀行と都市銀行の違い」を参考にしてください。

買い方の流れ

個人向け国債は、銀行や証券会社、ゆうちょ銀行などの取扱金融機関で購入できます。

  1. 取扱金融機関で、口座を開設する
  2. 種類(変動10年・固定5年・固定3年)を選ぶ
  3. 購入する金額を決めて、申し込む(1万円から)
  4. 毎月の発行日に、購入が成立する

募集期間や購入できる金額は、金融機関によって異なります。購入の前に、財務省や金融機関のページで最新の情報を確認しましょう。

よくある失敗と、その防ぎ方

  • 1年以内に使う可能性のあるお金を入れる:中途換金が制限される
  • 「国が保証するから何も損しない」と考える:物価上昇や、中途換金の差し引きがある
  • 金利の仕組みを確認しない:変動と固定で、利子の動きが違う
  • 税金を忘れる:利子に20.315%の税金がかかる

金利タイプの選び方:シナリオで考える

金利は将来どうなるか、誰にも断定できません。そこで、いくつかの場面を想定して、種類の向き不向きを考えてみましょう(あくまで考え方の例です)。

想定する場面 考え方の例
金利が上がっていきそうだと考える 変動10年は、半年ごとに金利が見直されるため、利子が増える可能性がある。ただし、金利が下がれば受取額も減る
受取額を先に固定したい 固定5年・固定3年は、満期まで金利が変わらない。見通しが立てやすい
3年〜5年後に使う予定がある 満期が近い固定3年・固定5年が、予定に合わせやすい
10年以上、置いておける資金 変動10年は期間が長く、金利の変動を受け取りやすい

どの種類を選んでも、最低金利は0.05%です。ただし、最低金利は「下限」であり、預金やほかの商品より必ず有利になる、という意味ではありません。購入する時点の金利を、財務省や金融機関のページで確認しましょう。

購入前に確認したいチェックリスト

  • いつまで使わないお金か(1年以内に使う予定はないか)
  • 生活防衛資金は、別に確保できているか
  • 種類(変動10年・固定5年・固定3年)の違いを理解したか
  • 利子に20.315%の税金がかかることを理解したか
  • 取扱金融機関と、募集の日程を確認したか

国債は「安全」と言われますが、物価の上昇でお金の価値が目減りする可能性などもあります。ひとつの商品だけに偏らず、自分の目的と期間に合わせて、複数の手段を組み合わせて考えましょう。

よくある質問

個人向け国債は、元本割れしますか?

財務省の案内では、元本の支払いは国が責任を持つとされており、中途換金も額面で行われます。ただし、中途換金では、直前2回分の利子相当額×0.79685が差し引かれます。

変動10年と固定5年、どちらがいいですか?

金利の見通しや、お金を使う時期によって変わります。金利が上がると思うか、受取額を固定したいかで考えましょう。

新NISAの対象ですか?

個人向け国債は、新NISAの対象ではありません。NISAの対象商品は、金融庁のページで確認してください。

出典(公式情報):財務省 個人向け国債(最終確認日:2026年10月23日)

まとめ:安全性は高いが、1年は動かせない前提で

個人向け国債は、1万円から買えて、元本と利子の支払いを国が責任を持つ債券です。3つの種類があり、最低金利は0.05%です。発行から1年は中途換金ができないため、すぐ使うお金には向きません。金利の仕組みと税金を確認して、目的に合うか検討しましょう。

最終確認日:2026年10月23日。制度・金額・ルールは変更されることがあります。最新の情報は、必ず上記の公式サイトでご確認ください。

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買・契約を推奨するものではありません。最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。

※本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。