海外旅行の予防接種|いつ・何を?黄熱証明書とFORTH

旅行

海外旅行の準備で、パスポートや航空券に比べて後回しにされやすいのが予防接種です。行き先によっては、現地で感染症にかかるリスクがあり、ワクチンを受けておくことで防げる病気もあります。

ただし、ワクチンの中には、複数回の接種に時間がかかるものもあります。この記事では、厚生労働省検疫所のFORTH(海外で健康に過ごすために)の情報をもとに、予防接種を考える時期と、確認したいポイントを整理します。※必要なワクチンは、行き先・滞在期間・体調・過去の接種歴で変わります。最終的には、医師に相談してください。

成田空港のカウンター
成田空港のカウンター(写真:Douglas P. Perkins/Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0)

なぜ、渡航前の予防接種が大切なのか

海外には、日本では身近でない感染症が流行している地域があります。食べ物や水から感染するもの、蚊や動物を介して感染するものなど、種類はさまざまです。ワクチンですべてを防げるわけではありませんが、防げる病気は事前に備えておくことが、安全な旅行につながります。

特に、長期の滞在や、現地の人々と生活を共にする旅行、自然の多い地域への旅行では、必要な備えが増える場合があります。

いつ、どこで相談する?

FORTHの案内では、予防接種は出発の3か月以上前を目安に、トラベルクリニックなどで相談するとよいとされています。ワクチンによっては、複数回の接種が必要で、すべて終えるのに時間がかかるためです。

時期 やること
3か月以上前 行き先を決めたら、FORTHで感染症情報を確認。トラベルクリニックで相談する
2〜1か月前 必要なワクチンの接種を、計画に沿って進める
10日前まで 黄熱など、証明書が必要なワクチンは、出発10日以上前までに接種する
出発直前 接種の記録(母子手帳、接種証明書)を持ち物に入れる

実施している医療機関は、FORTHのウェブサイトで検索できます。渡航の予定が決まったら、早めに予約を取りましょう。全体の準備スケジュールは「海外旅行の準備スケジュール」で整理しています。

検討されることの多いワクチンの例

FORTHの案内では、渡航先や状況によって、次のようなワクチンを検討するとされています。

ワクチン ポイント
A型肝炎 食べ物や水から感染する。渡航先によって検討する
破傷風 けがをしたときのために。過去の接種歴を確認する
狂犬病 動物にかまれたときに備える。3回の接種を約1か月かけて行う場合がある
黄熱 国によっては、入国に接種証明書の提示を求められる

上の表は一例です。実際に必要なワクチンは、行き先や滞在の内容によって変わるため、医師と相談して決めましょう。

黄熱の証明書:期限と有効期間

黄熱は、国によって、入国時に予防接種の証明書を求められることがあります。FORTHの案内では、黄熱の予防接種は、出発の10日以上前に受ける必要があります。接種の効力は、接種から10日後に生じるためです。

証明書の有効期間は、生涯(接種の10日後から)とされています。必要な条件は国によって異なるため、渡航先の大使館に、要件を確認しておきましょう。

日本で承認されていないワクチンの注意

海外では使われているが、日本では未承認のワクチンもあります。FORTHの案内では、日本で承認されていないワクチンは、副反応が起きたときの救済制度の対象外になる、とされています。

接種を受ける前に、その制度の対象になるかどうかを、医療機関に確認し、納得したうえで接種を受けましょう。

接種のほかにできる対策

ワクチンは、感染症対策の一部です。接種の有無にかかわらず、次のような基本的な対策も欠かせません。

  • 生水や氷を避け、よく加熱された食べ物を選ぶ
  • 虫よけを使い、長袖・長ズボンで肌の露出を減らす
  • 動物にむやみに触らない
  • 手洗いをこまめに行う
  • 持病の薬や常備薬は、多めに持つ

現地で体調を崩したときの対応は、「海外で病院にかかるとき」で解説しています。治療費の備えには、保険が役立ちます。「海外旅行保険とカード付帯保険の違い」も参考にしてください。

よくある失敗と、その防ぎ方

  • 出発直前に相談する:複数回の接種が必要なワクチンは、間に合わないことがある
  • 黄熱の接種を、直前に受ける:出発10日以上前までに
  • 渡航先の要件を確認しない:国によって、証明書の要否が異なる
  • 接種の記録をなくす:母子手帳や接種証明書を、出発前に準備する
  • 未承認ワクチンの救済制度を確認しない:受ける前に確認

旅行のタイプ別:どう準備する?

旅行のタイプ 考え方の例
短期の観光旅行(1週間程度) 都市部が中心なら、A型肝炎や破傷風の接種歴を確認。必要性は医師に相談する
長期の滞在・留学 滞在が長いほど、検討するワクチンが増える場合がある。早めに相談する
自然の多い地域、動物と触れ合う旅行 動物にかまれたときのために、狂犬病のワクチンを検討する場合がある
国によって証明書が必要な地域 黄熱などは、入国の条件になる場合がある。大使館で確認

上の表は考え方の例で、必要なワクチンを決めるものではありません。行き先の感染症の状況は、FORTHのウェブサイトで確認でき、国や地域ごとの情報が掲載されています。

子ども連れ・持病がある人は特に早めに

子どもは、接種できる時期が年齢で決まっているワクチンがあります。また、持病がある人や、妊娠中の人、アレルギーがある人は、接種できないワクチンがある場合もあります。こうした場合は、渡航の予定が決まる前の早い段階から、かかりつけ医やトラベルクリニックに相談しましょう。

また、旅行中の急な体調不良のため、保険で医療費に備えることも大切です。現地での費用の目安は、「[[overseas-travel-budget-breakdown|海外旅行の費用の内訳]]」にあわせて考えておきましょう。

接種の記録を残し、旅行後にも気を配る

接種した日付、ワクチンの種類、回数は、母子手帳や接種証明書に記録しておきましょう。将来、留学や再び海外に行くときに役立ちます。また、帰国後に発熱や下痢などの症状が出た場合は、医療機関を受診するときに、渡航した国と時期、現地での食事や行動を伝えると、診断の助けになります。症状が軽くても、渡航歴は必ず伝えましょう。

よくある質問

予防接種は、すべての海外旅行に必要ですか?

必要かどうかは、行き先、滞在期間、旅行の内容で変わります。FORTHで感染症情報を確認し、医師に相談して決めましょう。

黄熱の証明書は、何年有効ですか?

FORTHの案内では、生涯有効とされています(接種の10日後から)。ただし、渡航先の要件は、大使館で確認してください。

どの病院で受けられますか?

トラベルクリニックなどで受けられます。FORTHのウェブサイトで、実施している医療機関を検索できます。

出典(公式情報):厚生労働省検疫所 FORTH 海外渡航のための予防接種(最終確認日:2026年10月23日)

まとめ:3か月前から相談。黄熱は10日前まで

海外旅行の予防接種は、出発の3か月以上前を目安に、トラベルクリニックなどで相談しましょう。黄熱は出発10日以上前までに接種が必要で、証明書は生涯有効とされています。日本で未承認のワクチンは、救済制度の対象外になる点にも注意してください。

最終確認日:2026年10月23日。制度・金額・ルールは変更されることがあります。最新の情報は、必ず上記の公式サイトでご確認ください。

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